思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<過去に2度開催した「札幌国際芸術祭」から> ③

第1回目の芸術祭のテーマは「都市と自然」、第2回目のテーマは「芸術祭ってなんだ?」です。 (今回は写真が多く、少し長文になります)

芸術祭は音楽家大友良英氏をゲストディレクターに迎えて、2017年8月5日~10月1日まで開催されました。展示作品のほか、パフォーマンス、ライブイベント、また市民参加型もあり、市内のどこかでイベントが行われている?情報もあり、会場は44ヶ所、参加アーチスト151組と広がっていました。市内の展示作品を観て歩き、うきうきしていた気分が今も残っています。

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サブテーマは「ガラクタの星座たち」 画像は大友良英氏の作品です。
会場は道立三岸好太郎美術館。大友良英アーカイブ(お月さままで飛んでいく音) + 三岸好太郎ワークス(飛び出ス事ハ自由ダ)。多彩な展示資料を観て、大友氏が緻密に重ねてきた表現の背後には氏の冷静な目が感じとれます。

2回目の芸術祭では、画像で市民参加型のプログラムを紹介したいと思います。

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「大風呂敷プロジェクト」は、市民と一緒につくる芸術祭象徴の取り組みです。市民に布とミシン糸の提供を呼びかけて市内にボックスを設置し、工場や自宅で大風呂敷を縫う、市民全体を巻き込んだプロジックトです。私もほんの少し参加しました。デパート、JR札幌駅構内、地下歩道などに風呂敷を掲示し、芸術祭のシンボルになっていました。 この大風呂敷プロジェクトについて、下記に以前のブログを貼っておきますのでどうぞ。

 

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もうひとつの市民参加型プロジェックトに「さっぽろコレクテイブ オーケストラ」があります。
市内に住む小学生から18歳まで公募し、「音の鳴るものをもって集まれ」と約2年間ワークショップを行い、札幌コンサートホールKitara会場で披露となりました。(子供たちが音を鳴らして舞台を駆けて、実に楽しそうに演奏する2時間もの調和した音に感動しました)

オーケストラ コンダクターの大友良英氏は、パンフレットに次のような言葉を載せています。「大人の見本をなぞるのではなく、自分たちで音楽をみつけていくこと。それもひとりではなくアンサンブルの中で。そんなことを可能にする「場」を作ることがさっぽろコレクテイブ オーケストラの役目・・未来は自分たちの手で作っていくことができるということと繫がっていくような気がしています」
また、大友良英JAMJAMラジオ @kbs_jamjam の中で、市民参加型という、一般の人を巻き込むのは本当に難しい。途中でトラブルもあるが、カオスと秩序を繰り返しながらダイナミックな映像としてみせる。行政や市民を巻き込んでの芸術祭は課題も多いが芸術で地域、日本を作り上げていく一つかも知れない、それを信じている。トラブルになるから止めるのではなく、多くの人の参加で次につなげてほしい。このような内容を話されていました。オーケストラでは舞台の左手で目を細めて子供たちのいきいきした演奏を楽しむ一方、冷静な目で確認されていたと思います。同じように札幌の舞台で繰り広げる個性的な展示と音の祭典も、未来に向けて星座たちの輝きを見守っていたのではないでしょうか。未だに芸術祭が何だったのか分かりませんが、そんな気がするのです。

<最後に>

1回目の芸術祭ではアートを通して札幌の歴史や炭鉱の町、また先住民族であるアイヌ人が生きてきた時代などを顧みる機会になり、今も関心につながっています。

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(北海道近代美術館会場。岡部昌生氏の夕張炭鉱遺構のフロッタージュ作品)

2回目では市民参加型の芸術祭を見せていただきました。

★さて、3回目の芸術祭は冬季の開催と決まりました。(2020年12月19日~2021年2月14日:58日間)
冬の芸術祭が、どのように展開するのか楽しみです。

 

ku3re5.hatenablog.jp