思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

旭川市は彫刻のまちなのです。

北海道地図の中央辺りに、旭川市があります。
旭川と言えば、行動展示で人気のある旭山動物園が浮かんできますね。
私も大好きで、2年に1回は動物たちに会ってきます。
 
アザラシやシロクマ、そして冬季のペンギンの行列は馴染みの風景でしょう。
今は、オオカミやオランウターンの動きを眺めています。
 
今回は、動物ではなく、美術の話題にしましょう。
 
旭川の市街を歩いて目に付くのが、野外彫刻です。
2月27日、美術館巡りをしましたので、写真を載せて簡単に紹介します。
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旭川駅 この旧駅舎の裏側に新しい駅舎があり、現在も工事中です。
札幌から「特急、スーパーカムイ号」で80分。ホームに立ち、あらっ、どこの洒落た駅?という感じです。
改札口へのエスカレーター両側をガラスと木の格子で囲み、駅内は木の香りと温かさで演出されていました。
家具の製造が盛んな街ながらのアイデアですね。
 
駅からまっすぐ、買い物公園通りを歩いて、15分のところに、「常盤公園」があります。
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「常盤公園」に入ったら、小さな雪の塊りが空からハラリ。同時に大きなカラスの声でびっくりしました。ご挨拶だったんですねェ~。
 
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公園内の池です。人通りがないので、かも達も自由に飛び跳ねて楽しそうです。
 
公園内の奥に、「北海道立旭川美術館」がありました。
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雪が降っていたのですが、一刻の晴れ間が。
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当日は、「画家たちの七重奏展」(旭川を中心に道北ゆかりの画家)の展示。
詩と思想のイマージュ~と謳っていて、そのテーマに惹かれて観に来ました。
モノクローム絵画、水彩画、油彩画、抒情的な抽象画など、作家の個性的な画風に魅力がありますね。
その中でも、朝倉力男「雪原の斜陽」「雪の堤防」は、筆遣いと色彩で
雪の質感が見事です。観る者を引き込む力強さがありました。
 
美術館の喫茶で、トーストとコーヒーをいただきながら、お店の方と旭川アートの話を楽しみました。
 
そこからバスで、約20分のところに、「中原悌二郎記念旭川彫刻美術館」
あります。
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建物は、「旧旭川偕行社(かいこう)」だったとのこと。陸軍将校の社交の場で
大正天皇昭和天皇が宿泊され、作家の森鴎外も泊まっています。
この建物は建築重要文化財に指定されていますが、旭川市旭川郷土博物館として使用され、その後、平成6年に現在の美術館になりました。
 
昭和45年に中原悌二郎賞を創設し、今回の展覧会は、40周年記念展となっています。受賞者の彫刻を紹介した内容ですので豪華ですね。有名な彫刻家の作品が並んでいました。
 
中原悌二郎は明治21年に、釧路の漁村で生まれ、9歳の時に叔父の養子になり旭川で学童時代を過ごしています。
その後、絵画を学び、彫刻家の萩原守衛と出会って彫刻に進み、賞をいただく
業績を残して、病気から32歳の短い生涯を終えました。
 
 
その美術館に隣接して、「井上靖記念会館」が建っていました。
平成5年に開館し、この近くに作家井上靖の生家があったそうです。
今回の展示は、受賞作品「氷壁」展で、常設展もありました。
 
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作家は明治46年5月6日、木々の膨らみが開いて、花々が咲き始める季節に生まれました。が、1年以内に旭川を離れ、作家の記憶にないのは勿論ですね。旭川は心地よい土地と話されていますが、母親を通じて旭川への愛着なのでしょう。
 
井上靖旭川」の小誌を買ってきました。
その中に、平成2年の9月、旭川市開基100年記念式の特別講演の中で「ナナカマドの赤い実のランプ」を朗読された詩が載っています。
作家井上靖は翌年の1月に、急逝肺炎で亡くりました。