思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<美術館で写真撮影が可能に。造形作家阿部典英展から>

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札幌出身の造形画家「阿部典英(てんえい)すべて展」が、5月6日に終了しました。
北海道近代美術館で1ケ月間の開催中、多くの方が写真を撮っていましたが、作家さんの意図で撮影が可能になり私も撮ってきました。美術館で写真を撮るのは初めての体験です。
観ていて、とても心地よい。作品作りを楽しむ作家さんの気持ちが伝わる。そして、楽しんで私が表現したいのは何なのか。等など、自分自身をも振り返る機会になった展覧会です。
 
「阿部典英のすべて展」の記事をインターネットの検索から、作家さんの素顔や作品づくりについて、とても分かり易いブログがありましたのでご紹介します(個人で管理されている「北海道美術ネット別館」)
(1)   「阿部典英のすべて~工作少年、イメージの深海をゆく~」(1.総論)
(2)   「阿部典英のすべて~工作少年、イメージの深海をゆく~」(2.出発)後は続きで、(3.展開) (4.鎮魂)と、読むことができます。
 
★作家さんが独学で、幅広く創造の世界を作り上げた経過や作品の具体的な説明、また、観覧者を楽しませる作家さんの姿勢を分かり易く、また温かい目線でブログを書かれています。
写真もきれいです。検索でお読みくださいね。お勧めします。
 
阿部氏の作品作りには、6歳の時に漁業地に疎開した島牧村7年間の生活体験にあります。
札幌の高校美術部に入学し、抽象文字のような書体からはじまり、22歳時に、絵画部門で新人賞を受賞されています。その後、多用な素材を使って造形作家として72才の現在も意欲的にご活躍中です。
展覧会ではユーモアと同時に生と死を見つめた重いテーマなどの作品がずらりと並んでいました。
 
「工作少年、イメージの深海をゆく」、テーマの大小の作品が306点、展示の仕掛けもあり、美術館という絵画展とはちょっと趣が違う、面白い内容です。観ていて、つい口元が緩んでしまう、作品と対話をするような、自由な雰囲気の中で観覧が楽しめる、美術館では、なかなか味わうことのない、何度でも足を運びたい気分になります。
多分、作家さんの意図もあるのでしょうが、誰もが楽しめるように、観に来る人の思いを大事に考えた展覧会だったのではないでしょうか。
 
<写真から一部の作品を紹介します>
   作家の作品を代表するモチーフ、展示室前の3点の作品。
 
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写真1:「ネエ ダンナサン あるいは 静・緩・歩」
(生物の起源、海のイメージの大きな船体の上部に鉛筆のような細くとがった赤い矢は、戦いを想像させます)
 
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写真2:最新作
「ネエ ダンナサン あるいは北・天・翔」(5m超える作品)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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写真3:写真2の前
「ネエ ダンナサン あるいは 飛べない面長始祖鳥」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<展示室から>
   (写真:オヨメサンシリーズ)
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木材の廃材を利用し、色彩の美しさと形が面白い。43作品を壁一面に展示し、少し大きめの2つの作品。オヨメサンというタイトルは、人生で最も美しい時期を表現しているようです。
(また、ダンナサンシリーズのタイトルには、自問自答の意味があると、どこかで読みました)。 ユニークなタイトルも面白いですね。
 
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中央の2体のペア人形?足元に丸い鏡のようなガラスがはめ込まれています。
そっと下を覗いたら、どこまでも落ちていきそう、上を眺めると、どこまでも広がる、ガラスの仕掛けですが、隣の作品も映り、怖いような美しい世界です。
 
(写真)「ネエ ダンナサン あるいは 否・非・悲」
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照明が暗い厳粛な雰囲気の展示室に入りました。木花に囲まれた祭壇のような作品を中心に、両側に木を素材にした俯き加減の立体像がガラスの仕切りの中にずらりと並んでいます。
アフガニスタン戦争の悲嘆をテーマにした作品のようです。
ガラスの仕掛けから、作品と観覧者が迷路に迷い込んだ感じで、どの角度にも、白い立体像と私が融和してボンヤリと映っています。
 
写真を撮るのに苦労しました。入口から、そーと顔だけ出して撮った写真です。展示監視の方に「作品にもっと、近寄ってもいいんですよ」と言われてたのが嬉しい。
実は美術館でうっかりして、片足が線の中に入ってしまった時の注意、作品の印象を忘れないようにペンでリストにチエックしていた時の注意、貴重な作品を守る姿勢には理解できますが、少々、窮屈な観覧も経験していたので、これはありがたい。そんな配慮も楽しめる要因かもしれませんね。
 
③写真のみ(3点)
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<最後に>
56日深夜、2時過ぎにベランダで撮った写真です。
当日はスーパームーンでしたが、簡単なデジカメで。結構大きく見えました。
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