思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<あの日、東日本大震災から3年。>

2011311日:金曜日の午後245分過ぎに横揺れがしばらく続いた後の惨事。あの日から3年が経ちました。福島第一原発原子力事故に発展して現在も様々な課題が残っています。
そして今も、行方不明の方は何処にいるのでしょう。2月10現在:2,636人の方が行方不明です。310現在の人数は明日にも警察庁から発表されると思います。この数が少しでも減っているよう願うばかりです。親しい方の心情を思うと、居所が判らないうちは、本当の新しい生活が始まらないのかも知れません。この時期になると、特にそのようなことを考えてしまいます。
 
2月に観た美術展の作品を紹介しながら、早く全員の方の居所がわかり、おだやかな時間が来ますよう願いたいと思います。
(写真1、写真2)
 
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高橋知佳展「In My Room」からの作品。錆びた細い鉄線で人体を編み上げています。俯き加減の女性、影も作品になっていて静かに祈っているような温かさを感じました。高橋氏は札幌出身で金属造形作家、北海道で活躍している若手の作家さんです。兵庫県にあるリゾートホテル「高原ロッジ・メーブル猪名川」敷地内にも作品が設置されているようです。
 
次は、杉山留美子展「光の絵画へ」からの作品。油彩やアクリルの抽象画です。杉山氏は、「ここで私が描こうとしたのは、光なのです。太陽光線のような物理的なものではなく、人間の精神、あるいは魂が放つ光を描くことを意図してきたのです。」と、「杉山留美子を偲ぶ記念誌」に書かれています。札幌出身の杉山氏は国内外で個展やグループ展を開き、50年間も北海道の第一線で活躍された作家さんでしたが、2012年の6月に病気で亡くなりました。今回の個展は2ケ所のギャラリーを使った回顧展です。(訂正:2012年の6月→2013年6月4日に死去)
(写真3、写真4、写真5)
 
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20117月に、回顧展と同じギャラリーで個展を開いた時にも観に行っています。キャンバス中央の地が見えるほど、なのに薄く色彩を幾重にも重ねており、あまりにも美しい作品に見惚れていました。作家さんが展示室の奥、控室から出てこられたのですが、何も伺わずに帰ってきたのが残念でなりません。今回の回顧展も、その時のような配列でとても美しい展示風景でした。奥の方から、杉山氏がひらりと出てこられるような気がして、懐かしく寂しい思いで観てきました。もっと活躍していただきたい作家さん、もう、こちらの世界には居ない、命の儚さを思う時間でしたが、絵画の挑戦を繰り返して、精一杯、ご自身の絵画を発展させて私たちに見せてくださったのだと清々しい思いもしました。 
(★作品の撮影は難しく、画家さんに失礼かと思いましたがアップさせていただきました。)
 
<最後に>
傷ついた心を癒し、新しい生活を願うギターの音色をお届けします。毎年撮った写真を載せています。(本郷新作「奏でる乙女」札幌彫刻美術館への道の中間に設置)
 
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