思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<「北の脈-North Line-」を観て>

イメージ 1
 
札幌市地下鉄「大通駅」から「バスセンター駅」間の地下歩道空間に「500m美術館」があります。そこで開催中の「北の脈-North Line-」展を観てきました。過去に観た作品と、その時の場所の風景が浮かんできて懐かしさと同時に、北の美術を繋いできた作家さんの作品展を改めて眺める機会になりました。
 
今展覧会の趣旨をパンフレットから引用しますと、「今展は、500m美術館の特徴である横一直線に伸びた地下歩道のギャラリーを年表に見立て、各世代の作家が、時代の編纂をたどるタイムラインとして一直線に並びます。北海道ゆかりのあるベテランから若手作家、物故参加まで総勢17名による「北の脈-North Line-」展は、札幌国際芸術祭2014の開幕直前のプレ企画として、この地で脈々と受け継がれてきた美術の系譜はあるのか?あるとすればそれは何か?といったローカルに息づく美術史の検証を・・・・」。この展覧会は「先人たちの功績を未来へと引き継いでゆく中継地点として」、位置づけています。
「札幌国際芸術祭2014(都市と自然)」の開催期間は、719日~928日まで。)
 
 
イメージ 2
 
目を引いたのは、渡辺氏の作品「道」です。
 
イメージ 3
イメージ 4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
作家さんのメッセージがあり、「道」は、山の中から調達できる自然素材を使い、都会の息詰まる空間として、ガラスケース内に配置し、未来を問いかける・・」との内容が込められています。渡辺氏は彫刻家で201120132回、小樽で開催した「ハルカヤマ藝術要塞」、野外芸術展の代表をされています。
 
2013年「ハルカヤマ藝術要塞」を観てのブログ。
            http://blogs.yahoo.co.jp/reimei_tear_5/32295162.html
 
「脈々と受け継がれる美術」のイメージから、ある物語を思い出しました。
アニマルプラネットの人気番組、ミーアキャットの世界「フラワー物語」をご存知でしょうか。私はテレビやビデオで何度、観たか・・・。
身長30センチほどのミーアキャット、4つ足で移動し、長い尾と後足で立ち続け外敵を偵察。個性豊かで知恵もの、社会性が強く集団で暮らしている哺乳網ネコ目マングース科に属する、サソリ等を好む肉食動物。動作、表情が愛らしいですね。舞台はアフリカ南部のカハラ砂漠に暮らしている一家と、それを取り巻くミーアキャットの生と死のドラマ、第13話までのドキュメンタリーシリーズです。(ケンブリッジ大学の調査チームが10年かけて、ミーアキャットの視点から撮影)
 
母親フラワーが率いる「ウィスカー家」を中心に、繰り広げられる「外敵との戦い、強い絆と助け合い、集団闘争、陰謀、裏切り、敵集団のメンバーと恋愛、等など・・・。」ハラハラ、ドキドキしながら、まるで、人間の生きざまを見ているようです。
厳しい自然の中で日々起こる事に対処していくのですが、滑稽で面白く、悲しい場面も。朝早くに住いの穴からミーアキャットがぞろぞろ這い出し、朝食前の日光浴です。尾を支えに2本足で立ち、太陽に向けてお腹を温めるのですが、居眠りして穴に落ち込んでしまう。慌てて仲間を見渡して、何事もなかったように立つ仕草は人間のようですね。フラワーの最後は子を守ろうとして、コブラと戦って、いのちを終えますが、娘のロケットドッグがリーダーになり、分家をしながら集団で延々と命を繋いでいく、そんな物語です。
 
 
今回の展覧会は個性的な作家さんが、いのちを削って表現してこられた作品。そこに漂う普遍性と北海道という地域の特殊性を内包し、過去、現在と受け継ぎ、さらに未来に脈々と受け継いでいきます。
 
★作品を幾つか紹介しましょう。
 
一原有徳 
イメージ 5
 
小樽市で生涯のほとんどを過ごし、―現代版画の鬼才と讃えられた美術家」-」
201010月に、100歳で老衰のため死去。翌年に小樽市美術館の3階に「一原有徳記念ホール」がオープンしています。宇宙的で壮大な展示風景に圧倒されました。
 
●杉山留美子氏
 
イメージ 6
札幌出身。現代美術表現を先鋭的に展開する北海道を代表する作家」光の絵画と言われていますが、20136月に病気で亡くなり、本当に残念です。
 
個展を観てのブログ(記事の後半に)
 
●荒井 義則氏
イメージ 7
長野市生まれ、1972年より旭川に居住。・・・スクリーンプリントをベースにした作品と、ミックスミィディアによるインスタレーションを中心に制作」
小樽の「ハルカヤマ藝術要塞」での作品や旭川での個展を観ましたが、今年の2月、帯広での「帯広防風林アートプロジェクト」は行かれず、次回には行きたい・・と思っています。
   (右上の写真が、帯広の郊外、広大な農地の雪原で行われた「帯広防風林アートプロジェクト」での作品です。)
 
●池田緑氏
イメージ 8
 
「帯広在住の現代美術家。・・言葉や版画を取り込んだ独特の造形世界を構成。・・地球環境の保全を願って<マスク・プロジェクト>を広く展開。」
小樽での「ハルカヤマ藝術要塞」、帯広での「真正閣の100日」、札幌での個展を観ています。
ブログで作品を紹介(マスクの作品)
 
ここに挙げられなかった作家さんの作品も、札幌などで何度か観ております。この作品展は27日(金)に終了しますが、500m美術館も、「札幌国際芸術祭2014」の開催場所の一つになっており、どんな作品が展示されるのか、楽しみです。