思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<「札幌国際芸術祭」初日、一市民の感想>

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7月19日、「札幌国際芸術祭2014」が開催されました。道内初の本格的な芸術祭とのことです。
現代アート芸術祭は72日間。市内7ケ所を主要会場とし屋内外で作品を展示。諸外国の作家さんや国内、道内の作家さん64個人とグループの作品展です。準備で主催関係者の方々も精いっぱい取り組まれていると推察できます。
今日は初日、現代アート作品を観るというより、情報を持たないままに雰囲気を感じたい、そんな思いで札幌駅前通や地下歩行空間を歩いてみました。この道順で感じたことを幾つか取り上げたいと思います。
 
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以前に撮った地下歩行空間です。
壁に展示してある作品は、
札幌在住の香澄(kasumi)氏の作品です。
 
 
 
 
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市民が憩う場所もあり、作品展や手づくり展、 東北、道内の特産物などの販売、さまざまな催しが随時、開かれています。
 
 
 
 
さて、地下鉄札幌駅~大通駅までの地下歩行空間(チ・カ・ホ)を歩く。地上の札幌時計台ギャラリーで絵画展を観る(7人のグループ「櫂展」)。駅前通から北3条広場へ。アイヌの神事「カムイノミ」を観覧。「札幌市北3条広場」は本日オープンしている。「旧道庁赤レンガ庁舎」前の広場に続いて、市道の整備を行い、赤レンガを敷いた広場は「アカプラ」の名称(広場では各種のイベントやオープンカフェなど、市民憩いの場)。 そこからJR駅構内にある書店に行き、冒頭のガイドブックを購入して帰途(冒頭の写真)。
 
 
●<地下歩行空間で感じたこと> 
「地下歩行空間」に入って、左側に「インフォメーションセンター」があるとのこと。そこは展示コーナーのようになっていて、「本も売っているのですか」との男性の声で振り向いたら、インフォメーションと掲示してありました。
札幌を訪れた人が分かりやすい芸術祭の入口としては、どうでしょう。「案内カウンターを探して、質問してください」のような感じも受けました。ガイドブックを置いていたのでしょうか?目に入らなかったので、書店で購入しました。
 映像や文字の配列などの作品は、スマホ撮影で若い人に関心が高いようです。展示内容が分かるような、やさしいコメントがあれば、尚良いと思いました。(カタカナの難しい言葉で文字が小さい。関心がないと読むのが面倒?芸術祭は市民を巻き込んだのですから、解かる人が解かればよい、では少し淋しいですね)。
 学生さんの作品には優しくたたいてください、と書いてあり、重量感のある作品なのに触ると以外に軽く感じます。年配者も触ったり、インスタレーションの展示を面白そうに眺めたりしていました。もちろん、私も同年代。現代アートは理解し難いけれども、感じるものがありました。
 
 
●<北3条広場で感じたこと> 
広場を囲んで腰かける場所があり、伝統儀式が演じられるまで、老若男女の方々がそれぞれに談笑したり、お食事を食べたりして座っていました。
定時に芸術祭の成功を祈願する、アイヌ神事「カムイノミ」が行われました。 アイヌモシリは「人間の静かなる大地」を意味する言葉で北海道を指すこともあります。写真は二風谷の沙流川から取り寄せた石で、出展作家・島袋道浩さんの作品「一石を投じる」が広場に設置されています。
 
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向かい側の建物は日本生命ビル。この1階の建物、カフェからも多くの人が観覧していました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●<JR駅構内を歩いて書店で感じたこと> 
土曜日の午後、5階の書店まで行く途中、商品を展示した店が並んでいます。物があふれるような店頭の中を大勢の買い物客が行き来して賑わっていました。活気があり過ぎて疲れてしまいそう。これが都市の生活なのでしょう。地下歩行空間で観たインスタレーションや、札幌時計台ギャラリー「櫂展」の作品を観て(田崎謙一氏の大作)、生と死について感じるものがあったので、そのギャップに戸惑いました。
 
札幌国際芸術祭のガイドブックは、色彩が多い表紙の中で目立つと聞いていました。当然、店頭や分かりやすい場所に置いてあるはずと、探したが見当たりません。パソコンで検索してもらい、奥の芸術関係の場所に置いてありました。これもどうでしょう?ガイドブックが上手く活用されないように思います。 
 
札幌の地域にも先住民の豊かなアイヌ文化があったのです。それが歴史(北海道の開拓史)で消えてしまい、都市化された暮らしが当り前になっています。
初日の芸術祭開会式が自然の豊かなモエレ沼公園で行われ、200(100羽に訂正)ほどの鳩が飛び立つ演出は、ノアの方舟を想像し、アイヌ神事「カムイノミ」は自然への怖れと恵みを忘れていると、感じる事ができました。
 
現代的な抽象画で活躍中の息子さんの絵が良く分からないと、知り合いの方が話されます。私も理解できない方です。何かを感じとって観賞していますが、今回、現代アートで何が問われているのか、観る機会を得ました。これからじっくりと鑑賞を楽しみたいと思います。