思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

震災の傷あとに、やさしい音色を♪

43日:昨晩からの雪で辺り一面が白く覆われ、
当日、傘を差してもバックに雪が積もるほど、湿った雪が降り続けて、
札幌は冬の景色に一変しました。
 
毎日、東日本大震災のニュースが映像で飛び込んできます。
崩壊した建物の傷跡に、すべてを失った心の傷跡に、やさしく奏でる
音色をお届けしたい、そんな思いで札幌彫刻美術館に行ってきました。
 
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    (左:本館 右:記念館)
本郷 新 の作品です。
札幌彫刻美術館は道路を挟んで、本館と記念館が並んでいますが、その彫刻の道を100m位下った所に、ブロンズ像「奏でる乙女」の作品がありました。
雪の降る中で、静かにギターを奏でている乙女に会い、心を合わせました。
(同じ作品は東京の六本木交差点にも設置されています)
 
美術館は、本郷 新の彫刻家として、また美術文化の発信ともなっています。
作品は、札幌、北海道は勿論のこと、全国の野外彫刻に広がり、83点あるようです。(パンフレットを参考に)
(本郷新記念札幌彫刻美術館は、札幌、宮の森の静かな住宅街に建っていて、
地下鉄 東西線「西28丁目駅」よりタクシーで5分。バスもありますが、「彫刻美術館入口」を下車して約10分ほど歩きます)
 
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本郷 新は1980年2月(74歳)に、東京で亡くなりました。
札幌出身の彫刻家 本郷 新が1977年(S52)に構えたアトリエ、ギャラリーを寄贈してもらい、1980年7月に本郷新記念館として設立しています。(「財団法人札幌彫刻美術館」)
翌年に、本館と彫刻の庭園を建設し「札幌彫刻美術館」の全館が出来上がりオープンしました。2007年に名称を「本郷新記念札幌彫刻美術館」に改称しています。
 
「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです」という
言葉もありますが、この大災害に遭遇し、心の弱い私には重くて胃がチクチクしています。
 
今、この言葉を目の当たりにしています。大切な家屋の1辺、思いが詰っている1枚、馴染みの物、積み重ねてきた財産、準備してきた資料、ましてや、大切な、大切な「いのち」。すべてが傷を受けています。
 
東日本大震災で受けた傷あと、無駄になることは何一つありません。
私の計り知れないところで、日本が緑を失った赤土に、1枚、1枚の葉を茂らせて日本という国を支えてくださるように思うのです。
 
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小野健寿氏の作品「のびゆく子等」(中島公園にあります)