森山大道写真展 北海道<最終章>を観て
250本のフイルムを残していました。
しかし、未公開のフイルムも多かったようです。
2009年に「森山大道写真展 北海道<序章>」
森山大道さんは関係者と協議し、3年間にわたって北海道での写真展を企画しました。眠っていたモノロク写真から選びだし、新たに道内で撮ったカラー写真も合わせて、札幌を含めた道内の5ケ所で公開を始めたのです。
写真好きの人は興奮しました。
2010年「森山大道写真展 北海道第2章」の展開
道内の5ケ所で写真展と森山さんを招いてのトークもありました。
小樽でのトークにも参加していました。
そして、とうとう、最終年となりました。
最終章ということで、館内全部は森山大道の雰囲気でいっぱい。
大きなカラー写真の展示などは絵画展のようです。
わくわくして観てきました。
札幌芸術の森美術館
当日は少々、風が強く、日差しを受けた水面が光って動いていました。
南北線地下鉄
真駒内駅:中央バ ス2番乗り場から乗車
約15分ほどで、
「芸術の森入口」下車
反対側に、この看板があります。
芸術の森への目印。
(文が少し長くなります。お急ぎの方は写真だけでも)
森山さんの写真展を観て、特に、2つのことを感じました。
① 匂いのあるスタイル
② 人間に出会い続ける旅
戦前、戦後をひたすら真髄に生きた、ある文芸評論家に自叙伝を勧めたところ、自分が著したものが全て。読めば分かる。という内容を読んだ記憶があります。
① 匂いのあるスタイル
森山大道さんは、写真は撮影者の思うところを見せる作為よりも、
記憶を写真に残していく行動と言われています。
森山さんの作品をじっと見ていると、単なる記憶にとどまらず、
写真に匂いを感じます。
森山大道さんの著書「犬の記憶 終章」の初めと最後の見開きに、頭を
左・右にして睨むような目で見る野良犬の写真が載っています。
写真展のポスターにも使われていて馴染みのポーズですね。
(「アサヒグラフ」誌に連載したものをまとめて出版された本です)
一匹のシベリア狼の写真を先の著書に載せていますが、「油断ならない光る眼があった」。
老いたのは別にして、森山大道さんに重ねてしまいます。
獲物をとるような素早い動きで、シャッターを切っていく、何事もなかったように。
いつまでもそこに、とどまらない、安住しないで匂いを嗅ぎながら、野良犬のように路地を動き回る、そんな写真家の生き方を見てしまいます。
満足して日常にどっぷり浸っていると、大事なことがアンテナに引っかからないよ、と若い時に言われたことが時々思いだされますが、森山さんは常にアンテナを張り巡らしていたのですね。
少し長すぎましたので、②人間に出会い続ける旅は、次回に載せたいと思います。
この日、天気は良かったのですが、桜は、固いつぼみです。
若葉が開きはじめました。
新緑の時期が楽しみです。
野良犬とはいきませんが、散歩中のナナちゃんも水辺に浮かぶ
野外彫刻の観賞です。
カメラを向けられ、戸惑いながらも、
ご主人と親しく話しているのでポーズ。
後ろに見える、赤いお家は有島武郎の記念館です。
芸樹の森に来られた時は、ぜひ中に入って見てくださいね。
桜の花を見ないのも残念なので、帰りに大通公園の桜を撮ってきました。
札幌の桜開花宣言は、5月8日でした。