思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

神田日勝「馬」(絶筆)展へ

神田日勝の「馬」(絶筆)が、95日以降、横浜の「馬の博物館」に貸出と
分かり、9月の初めに、十勝管内鹿追町にある神田日勝記念美術館に行き
ました。
台風12号の影響もあり、当日も足元が濡れるほどの雨で、どういうわけか、アート巡りに雨が降る、私は雨女?と思うときもあります。
 
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(バス停前、すぐです)
 
昨年の秋、「札幌芸術の森記念美術館」の20周年記念として「北方神獣展」がありました。
日本画・油彩画の名作品。主な日本画家では、東山魁夷竹内栖鳳、竹内浩一、加山又造奥村土牛他。油彩画では国松登、橋本三郎の他。また神田日勝の作品も2点あり、「馬」(絶筆)の前では立ちすくんでしまいました。
あの緻密な毛並みの描写と遠く吸い込まれるような哀しい目。透明で愛情あふれる作品です。
もう一度作品に会いたくて、今回の機会を捉えて観てきたのです。未完の馬ですが、すでに完成された作品のようです。
 
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神田日勝は昭和12年に、二男として東京で生まれました。昭和208月の戦争終末頃、神田一家は疎開先を北海道に求め、開拓農兵隊に応望して鹿追に到着したのは終戦の前日です。
 
鹿追に渡った仲間が稔りのない開拓農業から離脱しますが、神田一家は残り、想像を絶するほどの厳しい、貧しい開墾農業に従事しています。
一家の後を継いだ日勝は農民画家と言われるのを嫌って、自分は
「画家である、農家である」と、はっきり分けています。
最後まで貫いた日勝の姿勢なのでしょう。
 
東京芸大を卒業した兄、神田一明の影響を受ける中で、画業と農業を両立させながら独学で日勝の画風を表現していきました。
 
昭和456月末、全道展に「室内風景」(最後の完成作品)を出品し、
825日、風症状が悪化し敗血症で病死しました。32歳の若さです。
これから画家活動が楽しみなのに本当に残念です。
でも生き急ぐかのように、作品を完成されたのでしょう。「馬」(絶筆)に表現されているように思いました。
 
先に書きましたが、日本や外国の絵画や工芸品などを展示する横浜市中区
根岸にある「馬の博物館」には、神田日勝の代表作品「馬」(絶筆)の
作品も展示されています。
 
会期は平成2396日(火)~124日(日)です。
どうぞ、日勝の「馬」(絶筆)の作品に触れてください。お勧めです。
 
神田日勝記念美術館>
*北海道河東群鹿追町3丁目:0156-66-1555
*アクセス:JR帯広駅前のバスターミナル(拓殖バス、1時間ほどで、美術館前下車。本数は少ない)
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 (帯広駅前の広場にあります)
 
*美術館では、平成23913日~1023日まで「馬と人とのかかわり~馬の博物館所蔵作品展」を開催しています。「馬」(絶筆)は貸し出し中なので展示していません。
 
最後に、感動した写真です。バスを待っていて、ふと雨上がりの空を見上げたら、雲の間から太陽が。一瞬でしたが、しあわせな気分になりました。
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 もう一つ、おまけです。
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  ハマナスの花の実、可愛いですね。