思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

野外展を観て③ アートを身近なものに

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2011年も残すところ23日。12月は1年間の締め括りですが、伝統的な風習も薄れ年末からお正月という、一つの行事としての観があるようです。
札幌は数日前の猛吹雪から冬景色です。解けないままに来春までの根雪になるのでしょうか。
事情があって、ブログの更新をしばらく怠っていました。
前記の流れから、
   「ハルカヤマ藝術要塞2011」を観て(小樽)
   「夕張清水沢アートプロジェックト」を観て(夕張)
   地域で開催した、廃虚での野外展を観て思うこと
   ②については、写真を載せて紹介してきましたが、最後に野外展からの
感想を書きたいと思います。難しいことは別にして、一市民として素朴に
感じたことです。
 
前にも書いていますが絵画を観るのは美術館、というのが私のこれまでの
スタンスです。最近、道内作家さんの作品を集中的に観て歩き、身近に
アートを楽しむことも分かってきました。
今回の野外展の特徴をあげるなら、「ハルカヤマ藝術要塞2011は道内の
作家が集まり、鑑賞者と一緒に作り上げた自然再生への試みです。
次の「夕張清水沢アートプロジェックト」はアートを通して歴史の記憶を掘り起こし、その時代との再会でしょう。
どちらも、その地域にアートを運び、地域の素材を生かしながら自然とともに生きる覚醒への取り組みだったように思います。
このような野外展は今までも開催されていますが、美術館での鑑賞と同時に、地域の自然と一体になった野外展の楽しみ方を広げていただいたように思います。
 
時代・思想の流れを経た現代アートは、種々の表現方法での作品展があります。わかる人、わからない人と分けるなら、私は後方に入ります。一般的にいって、この分野での関心が薄い人にはアート関係者で楽しむ特別な世界のように思われがちです。
好き悪いは別にして、もし、観る人と共有できるような何ものも感じられない、人の生きる関心ごとから遊離している作品なら、せっかくの美的な宝も
むなしい。特に、年齢の高い人には入りづらい所のような気がするのです。でも力のある作品は、理解できなくても何度も観て馴染んでいくのだと思います。
 
今回の野外展では、鑑賞した人の年齢幅が広いというのが正直な驚きです。
現代アートの鑑賞にひと工夫があれば、余暇に時間のとれる年代層も親しみ、驚き、わくわく感で作品を楽しめます。都市、地域と発表の場を広げ、そこに人が集まりアートが日常生活に馴染んでいくのでしょう。
 
人が集まる環境づくりには費用が掛かります。観光地としての箱ものづくりで人を呼び込んでいたのが今まで。でも話題づくりで1度行けば済むのです。
アートは一瞬の美で豊かになる、好きな作家さんの作品を観たい、
それが何度も足を運ぶことになると思うのです。
アート活動を育てる経済的基盤は今後の課題だと思います。行政の支援と
仕組みづくりでしょうか。地域活性化、街づくりの話題は常にありますが
アートでの街づくりは夢を提供できるでしょう。
アートを通して人が集まり、市民が継続的にアートを楽しめるような
環境づくりが求められているように思うのです。
多分、行政の力と作家さんの心血を注いだ作品とそれをしっかり受け止める鑑賞者とで、可能になるのでしょう。
 
 
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 簡単な絞り染めの手作りで、円いテーブルを覆ってみました。
 
あまりブログを更新していませんが、みな様のブログにはお邪魔して
います。
 来年は、もっと楽しい時間が持てますよう、
1年間、本当にありがとうございました。