思いめぐらす日常のひとこま

はてなブログに移行し、和紙を素材に絵づくりなどを考えめぐらしています。

<木田金次郎「第一回個展」の頃>を観て。画家を支えた人たち。①

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日本海側、積丹半島の西側に位置する岩内町。かつては、ニシンの千石場所として栄えた町。油彩画家、木田金次郎はこの土地に生まれました。
今年が生誕120年ということで、<特別展 木田金次郎「第一回個展の頃>が
開催されています。画家が取り組んできた作品を振り返る企画展です。
               (7月4日~11月4日まで。岩内町、木田金次郎美術館)
 
画家が60歳になってから、札幌で初個展を開きました。当時の作品を観たいので
札幌から「高速いわない号」に乗って、美術館に行ってきました。
作品はもちろんのこと、圧倒されたのは画家の周囲に、支える多彩な人たちがいたことです。木田金次郎という画家に惹かれて、画家の成長を見守り、初個展のために奔走した人。画家を精神的に、経済的にも支えて展覧会を実現させた人たち。作品と説明文を読んでいて、その時代の熱い気風のようなものを感じました。
 
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美術館の窓から、中庭を通して、曇りがちの空が見えました。
美術館は海岸近くの、旧国鉄岩内駅舎だった跡地に建っています。1985年(昭和60年)の岩内廃線から廃駅になっていましたが、町民有志の「みんなで創る美術館」を理念に、9年後の1994年(平成6年)に、開館しています。
 
1~2階に作品の展示。3階への螺旋、回廊型展望からは岩内町の全景を見渡すことができ、1階~3階までの中庭を中心に吹き抜けになっていました。
長男さんが鉄道のある原風景をイメージして設計されたとのことです。
 
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当時の札幌「丸井今井百貨店」を会場にした初個展。図録に第一回個展の記念写真が載っています。1953年(昭和28年)の個展の準備に携わった人たちに囲まれて、前列の右から3人目が画家、木田金次郎です。この他、記念写真には並んでいませんが、そうそうたる顔ぶれです。
 
まず、最も近くで応援した人、今井卯八氏です。
岩内で画材専門店「銀嶺荘」を営んでいた時から、木田金次郎の画才と人柄を最も理解していた人です。札幌に移転した後も、岩内で黙々描いている作品を、どうかして多くの人に観てもらいたい。1952年、北海道新聞文化賞応募に木田の作品を推薦したところ、個展や公募展に出品がないので、社会貢献がないというような理由で選外になったようです。
 
今井氏は、画家の個展を何とか開きたいと働きかけていましたが、
そんな時に、個展開催への機運が高まり、応援したい人が集まってきたのです。
 
初個展の実現に奔走した人、経済的に支えた人・企業を、幾つかあげたいと思います。
  
                                     ★次回へ。
 
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